研究課題
若手研究(B)
グラビア誌面調査と主な作家のルポルタージュや旅行記調査によって明らかにした1960年代の文学の傾向を踏まえ、大江健三郎のエッセイ・小説における文体の検討を行った。特に1960年代の視覚メディアによる「知的概観的世界」(三島由紀夫)に対抗すべく、大江文学のフランス・ユマニスムを受容した独自なスタイルを論じた。また、上記の調査・検討を基として、戦中期の太宰治、戦後の原民喜、ベトナム戦争を小説化する村上春樹の試みなど、時代を拡げてメディアに抗する小説スタイルを検討した。
日本近代文学