研究課題/領域番号 |
25870082
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
渡部 芳栄 岩手県立大学, その他部局等, 准教授 (60508076)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 公立大学法人 / 大学教育の質保証 / 法人・大学運営 |
研究概要 |
本研究の目的は、地方行政からの影響を受けつつ大学(正確にはその設立団体)としての自律性を持つ公立大学法人が、いかにして大学教育の質保証を担保できるか・すべきか、その法人運営の在り方を検討することである。具体的な課題は、第1に法人化の目的を明らかにし、整理すること、第2に法人化の前後における組織上、財務上の変化を明らかにすること、第3に教育の質保証の状況を明らかにすることの3つである。一口に公立大学と言っても設置者が数多く存在することを踏まえ、マクロ的アプローチ・ミクロ的アプローチの双方を採用し、多種多様な公立大学運営の全体像と個別事情をより明確に捉えられる工夫を採る。本研究で採用する研究方法は、①史資料分析、②統計資料分析、③聞き取り調査、④アンケート調査分析の4つである。 平成25年度に注力したのは、マクロレベルでの①史資料収集・データベース作成、②統計資料収集・データベース作成であった。①については、2つのデータ収集・整理を行った。第1に、国会議事録の収集である。広く「大学」というキーワードが登場する国会会議の議事録を1970年代後半からの検索・収集した。第2に、大学の質保証の状況を示す重要な文書である自己点検・評価書の収集である。今年度は、大学評価・学位授与機構と大学基準協会に限定し、2004年度以降のデータを収集し、基準ごとに記載内容を整理し、データベース化を進めている。②については、公立大学法人の定款・中期目標・中期計画・財務諸表を収集し、データベース化を進めている。また、公立大学協会への訪問調査も行い、『公立大学実態調査表』はじめ、各種史資料を収集した。収集した史資料に基づいて、解説記事・論文も執筆した(発行は2014年度予定)。 その他、2つの公立大学の法人化の経緯についてのヒアリングも行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マクロレベルの史資料の収集について、公立大学協会の資料や組織・財務上のデータや国会会議録など計画通りに収集することができた。ミクロレベルについては、地方公共団体の会議録や広報資料については十分でないところもあったが、自己点検・評価書、全ての公立大学法人の定款等の文書を収集し、かなりの部分をデータベース化することができたことは計画以上であった。また、兵庫県立大学・広島市立大学の2法人の訪問調査も実施できたことも計画通りである。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に整備し始めたデータベースによって、本格的に分析を進めていくのが平成26年度である。我が国の公立大学法人の全体像を把握できる研究成果を出しつつ、本格化する訪問調査先の選定、今後実施予定のアンケート調査項目の作成などを進めていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
ほぼ計画通りの執行である。 次年度の消耗品等に充当する。
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