研究課題
IgG4-RD包括診断基準(2011年)でdefiniteを満たすIgG4-RD(N=5、全例女性)、シェーグレン症候群(SS)(N=5、全例女性)、健常人(HC)(N=3、全例女性)の口唇唾液腺(LSG)より抽出したRNAを用いてDNAマイクロアレイを行い、IgG4-RD、SS、HCの遺伝子発現パターンを主成分分析で比較した。IgG4-RDとSSのペアワイズの比較を行い、IgG4-RDで相対的に発現増加、減少した遺伝子(発現変動遺伝子)(rank products法、false discovery rate<0.05)を抽出した。DNAマイクロアレイとは別のIgG4-RD(N=9)、SS(N=10)、HC(N=4)のLSGより抽出したRNAを用いて、IgG4-RDで発現が増加していた発現変動遺伝子に関して定量PCRによるvalidationを行った。IgG4-RDのLSGにおけるmRNAの発現増加が確認されたCCL18に関して、免疫蛍光二重染色(CCL18、CD68、CD20)でLSGにおけるタンパクレベルでの発現解析と発現細胞の同定、IgG4-RD(N=2)、SS(N=1)、HC(N=1)における発現比較を行った。主成分分析では、IgG4-RD、SS、HCは互いに異なるクラスターを形成した。IgG4-RDで発現増加した遺伝子は1771プローブセット(1321遺伝子)、減少した遺伝子は1785プローブセット(1320遺伝子)抽出された(false discovery rate<0.05)。発現変動遺伝子の中から、rank上位、発現量高値、ばらつきが少ない、機能(ケモカイン、免疫・炎症関連)の条件から5個のvalidation候補遺伝子(CXCL12、CXCL14、CCL18、LTF、COLEC12)を抽出した。定量PCRでは、IgG4-RDにおいて、LTFはSSと比較し、CCL18はSSおよびHCと比較して有意に高発現していた(P<0.05)。IgG4-RDのLSGでは、多数のCD68陽性マクロファージ、一部のCD20陽性B細胞がCCL18を産生していた。一方で、SSではCCL18産生細胞はほとんど認めず、HCではマクロファージ、B細胞の浸潤は認めなかった。
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