本年度行ったことは,脚部のタイミングに合わせた撮像条件の作成と得られた成果を積極的に発表および論文化していくことに注力した。 残念ながら脚部のタイミングに合わせた撮像条件は完成させることができなかった。その原因として以下の2点を挙げる;①下肢運動中に頭部が静止している時間が予想よりも短く,その時間内に必要データ量を収集しきることが不可能であったため,②頭部が静止している時間内にデータを断続的に取得するとそれに伴い撮像音も断続的になる。この断続的でリズミカルな撮像音に被験者の注意が吊られてしまい,モニター上で視覚的に指示していた本来行うべきタイミングで下肢運動を行うことが難しくなってしまった。以上2点は,解析結果の信憑性と再現性を下げることに繋がってしまい,それらの解決策を期間内に講じられる見込みがなかったため断念した。 成果の発信として以下の3点を行った;①国際学会(ISMRM@Milano)②国内学会(日本磁気共鳴医学会大会@京都)③論文執筆(Magnetic Resonance in Medical Sciences). ③は平成27年2月に投稿し,4月にreviceされ現在再編中であり4月中に再投稿できる見込みがたっている。 本研究の主な結果は,fMRI下肢運動中における頭部の動きの定量的評価と開発した固定方法の有効性評価である。これらを発信するための学会参加費(旅費を含む)と論文作成における英文校正費用に予定通り予算を多く充てさせていただいた。 今後の活動はまず優先順位として,Ⅰ)本研究成果の可及的速やかな論文化,Ⅱ)固定方法のさらなる改良,Ⅲ)ロボットスーツHALを用いた治療前後において下肢屈伸運動をタスクとしたfMRIを実施して治療効果判定に用いる,ことである。
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