研究課題
本研究は多文化背景児童生徒の心理教育的アセスメントモデルを開発することを目的とした。平成28年度は、近年の米国における多文化心理教育アセスメントついて論じた資料論文が採択された。8月には、米国コロラド州で開催されたAPA年次大会にて、情報収集を行うとともに、UNITの開発者であるDr. Bruce Brackenとの打ち合わせを行った。さらに、同州内のUniversity of Northern ColoradoにてDr. Robyn Hessと米国の多文化支援の現状について意見交換を行い、学内の心理クリニックや障害学生支援室にも訪問した。加えて、UNITの信頼性と妥当性を検討するため、昨年度までに収集した計150名分の検査データの統計分析を進めた。概ね、文化による有意な得点差は見られなかった。結果については、国際学校心理学会2016にてポスター発表、多文化間精神医学会(宇都宮)で口頭発表をそれぞれ行い、現在、国際学校心理学会の学術雑誌であるInternational Journal of School and Educational Psychologyへ投稿し、査読中である。当初、UNITを利用した事例研究行うことを検討していたが、事例研究に適切と判断される協力者を得るのが困難であったこと、検査の実用化を想定した場合、2016年に発売された改訂版を利用して事例研究を行うことがより妥当性が高いと判断したため、本研究では事例研究は行わなかった。ただし、手続きに関する研究倫理委員会の審査承認を得る、必要な検査や文献のレビュー行うなど事例研究に必要な事前準備は行った。今後は、新たに採択された基盤(C)研究:非言語性知能検査UNIT2とC-LIMを利用した多文化心理教育アセスメントモデルの開発にて、UNIT2のデータ収集を継続・完了し、UNIT2を利用した事例研究を行う。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)
立正大学心理学研究所紀要
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