研究実績の概要 |
本研究の目的は,映像評価システムを利用することで,映像に対する評価者群の考え方の枠組みと,評価者個人の考え方の位置関係を提示し,他者理解の学習支援を行うことである.このため本研究では,映像再生中の評価コメントを取得・分析し,総合評価との関連や属性による比較結果を提示することにより, 映像を利用した学習における効果的なフィードバック手法について検討を行った. 本年度は,前年度に引き続いて映像評価分析システムデザインについての検討および開発ツールの評価実験を行った.提示映像素材としては,面接映像の他に独自のシナリオによるコミュニケーション場面の映像制作を行った.また,映像へのコメント入力方法として,キーボード入力,マウス操作,タッチパネル及び音声認識システムを検討した.さらに,実験環境としてパソコンや携帯端末を利用するためのネットワーク環境を構築した.得られた成果は研究会等で発表し,関連分野の専門家からの指摘や助言を得,実験デザインの妥当性を確認した. なお,本研究では,より多くの評価者から評価データを取得し,リアルタイムに結果を提示することによって,結果表示手法についての有効性について検討する予定であったが,必ずしも大規模な評価コメントの収集を行うことができなかったため,今後映像評価ツールの公開を行うとともに,さらに評価コメントの収集・蓄積を行う等,研究期間終了後も研究を継続していく予定である.
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