平成28年度は、27年度の積み残し課題となっていた平和維持活動型と「保護する責任」型の安保理の実行の比較を行うと同時に、1999年以降実施されている、文民の保護のために武力行使権限を授権された活動による平和維持活動型と、安保理による強制措置を含む「保護する責任」型の、二種類の実行の法的評価を行っている先行研究を整理し、加盟国による支持の有無と法的評価の関係を分析した。 特に「保護する責任」に関する安保理における議論と実行に関しては、当該課題を研究する国際法学、国際政治学、地域研究関係者が集まって結成した「R2Pネットワーク」に参加し、安保理の実施について体系的にまとめた資料集の作成を進めることで、研究成果の発表に向けた作業を続けてきた。 さらに、栃木県並びに福島県での公民館主催の公開講座や、市民団体による公開講演会においても研究成果を市民向けに発信する活動を行ったほか、下野新聞(栃木県)のコラム等でも情報発信を行った。
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