国連安保理による文民の保護措置を、受入国による同意を前提としつつも武力行使権限を付与された平和維持活動型と、受入国の同意を必ずしも必要とせず、武力行使を含む強制措置を伴う「保護する責任」型に分類し、安保理議事録や国連報告書、また関連する先行研究を分析した結果、加盟国による支持を得やすい平和維持活動型としては、2015年の「ホルタ・レポート」に見られるように、文民保護が平和維持活動の中心的任務であるとの認識が加盟国間で共有されてきた一方で、、シリア内戦への不介入事例にみられるように、「保護する責任」型は文民保護の手段として国連体制の中では正当化されるには至っていないことが明らかになった。
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