研究課題/領域番号 |
25870122
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
荻窪 光慈 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (00431726)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 産業・技術教育 / 教材開発 / 組込み技術 / マイコン / ネットワーク |
研究概要 |
組込み技術は我が国の基幹産業であるが、従来、学術的に重視されてきておらず、また、学校教育でもほとんど取り扱われていない。その結果、組込み技術を志す若者は少なく、我が国の産業界において組込み技術者は慢性的に不足しているため、その育成が喫緊の課題となっている。したがって、今後の学校教育において、組込み技術と現代社会との関係を適切に評価する態度を養いながら、組込み技術に関する理解を深める必要がある。 そこで、本研究課題では、①極めて高機能な32ビットマイコンを活用したネットワーク接続型環境見守りシステムを題材とし、最先端の組込み技術事例について児童・生徒に体験的に学習させる教材を開発すること、②開発した教材を活用して、学習効果を高める授業構成やカリキュラムを構築することを目的とする。その結果、児童・生徒が組込み技術に積極的に関与する態度が期待されるとともに、我が国のものづくり産業に積極的に関与する人材の育成に寄与することができると期待される。 平成25年度には、以下に示す各事項について実施した。 1.児童・生徒の組込み技術に関する実態把握及び新学習指導要領における組込み技術教育に関する教育題材の検討として、組込み技術教育に関する学習指導で活用される学習教材等を調査するとともに、新学習指導要領において組込み技術教育が学習できる場面を抽出し、系統的な指導内容の検討を進めた。 2.32ビットマイコンを活用した体験的学習のためのネットワーク接続型組込み技術教材の開発として、学校教育現場において製作可能なネットワーク接続型組込み技術教材について、組込み技術教材としての基礎的機能の実現並びに低コスト化を意識して開発を行った。具体的には、取り扱いが容易なDIP(Dual In-line Package)タイプパッケージの32ビットマイコン及び無線通信モジュールを用いて開発を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学校教育現場における製作及び活用を指向したネットワーク接続型組込み技術教材の開発については、DIP(Dual In-line Package)タイプパッケージの32ビットマイコン、及び、ZigBee通信及び無線LAN通信規格に準拠した無線通信モジュールを用いて、簡単なセンサデータを通信可能な組込みシステムの基盤技術を確立している。 また、新学習指導要領における組込み技術教育に関する教育題材の検討については、既に市販されている幾つかの組込み技術教材に関する調査を進め、それらの組込み技術教育への適用に関する教育場面や活用事例等の検討に関しても知見が得られつつある。 以上のことから、本研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
学校教育現場における製作及び活用を指向したネットワーク接続型組込み技術教材の開発については、これまでに進捗している無線通信に加えて、有線通信によるネットワーク接続を実現する組込み技術教材の開発を進める。 また、新学習指導要領における組込み技術教育に関する教育題材の検討については、既存の組込み技術教材に加えて、近年、組込み技術教育として活用可能と考えられる安価かつ良質なコンピュータボードの種類が増えているため、これらを含めて、その組込み技術教育への適用に関する教育場面や活用事例等の検討を進めながら、具体的実践を念頭に置いたカリキュラムについての検討を進める。
|
次年度の研究費の使用計画 |
科研費が補助金から基金へと、その在り方が大幅に変更され、単年度会計から解放されたことから、微少な金額であっても次年度に行われる研究のために有意義に活用しようと考えたため。 次年度に行われる研究のためのマイコン等電子部品購入のために有意義に活用する計画である。
|