研究課題
若手研究(B)
1.ポリアミンにより翻訳レベルで合成促進を受ける遺伝子「ポリアミンモジュロン」がヘパラン硫酸の生合成に関与しているかどうかを検討すべく、15種の動物細胞をポリアミンの有無で培養し、ヘパラン硫酸の発現量及び二糖組成を網羅的に解析した。ヘパラン硫酸の発現量及び二糖組成は細胞株でそれぞれ異なっていたが、細胞内ポリアミン量を減少させるとヘパラン硫酸の発現量が減少していた。そこで、ヘパラン硫酸の糖鎖伸長に関わる遺伝子を中心にポリアミンモジュロンを探索したところ、EXT2及びEXTL3がポリアミンモジュロンであることが明らかとなった。また、細胞内ポリアミン量を減少させるとヘパラン硫酸の分子量が減少していた。現在、ポリアミンによるEXT2及びEXTL3の合成促進機構を解析中である。2.15種の動物細胞をポリアミンの有無で培養し、コンドロイチン硫酸の発現量、二糖組成を網羅的に解析した。その結果、コンドロイチン硫酸の発現量及び二糖組成は細胞株でそれぞれ異なっていたが、細胞内ポリアミン量を減少させると6硫酸に対する4硫酸の比が減少していた。コンドロイチン4硫酸の合成に関与する遺伝子を中心にポリアミンモジュロンを探索したところ、コンドロイチン4-O-硫酸基転移酵素 (C4ST)ではなくコンドロイチン硫酸合成酵素1 (CHSY1)がポリアミンモジュロンであることが明らかとなった。更に、細胞内ポリアミン量を減少させると、コンドロイチン硫酸の分子量低下が認められた。現在、ポリアミンによるCHSY1合成促進機構を解析中である。
2: おおむね順調に進展している
研究実績の概要に記した通り、研究実施計画は順調に進展している。しかし、ポリアミンによるEXT2、EXTL3及びCHSY1の合成促進機構の解明にまで至っていない。
グリコサミノグリカンの生合成にポリアミンが重要であることを明確にすべく、ポリアミンによるEXT2、EXTL3及びCHSY1の合成促進機序を分子レベルで明らかにする。また、ポリアミンの有無によるグリコサミノグリカンの構造変化がいかに成長因子との結合に影響を及ぼすか明らかにする。
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