研究課題/領域番号 |
25870130
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
佐藤 謙一 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (90505687)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 非侵襲的血中成分測定 / 中赤外スペクトル解析 / 血糖値(グルコース) / ヘモグロビンA1C / 中性脂肪 / 総コレステロール |
研究実績の概要 |
詳細なスペクトル情報が得られる中赤外スペクトル解析に、高分解能な中赤外領域レーザー光源を適応し、臨床検査に適応可能な精度 をもつ非侵襲的連続血糖測定装置を開発することが最終目標である。当研究課題ではその最終目標をなす為の技術として、平成25年度に、全血試料の 高精度な中赤外光スペクトル解析法を開発し、平成27年度に、この方法をさらに経皮的非侵襲的血糖測定に応用することを計画した。 平成26年度の研究成果として、全血試料100検体を用い、スペクトル解析手法としてPartial Least Squares (PLS)解析法を用い、恭順的な検査法との相関係数が、血糖値 r=0.95、ヘモグロビンA1C r=0.4、アルブミン r=0.95、総蛋白質 r=0.9、中性脂肪 r=0.7、総コレステロール r=0.8 であった 。相関係数 r=0.95 以上を目標としていたため、平成26年度には、改善のために引き続きスペクトル解析手法の検討を行うことからはじめた。中赤外光スペクトル解析法としてPLS解析を利用した手法をとってきたが、Support Vector Machine (SVM)解析の検討を行った。しかしながら、明確な改善には至らなかった。全血試料の中赤外光スペクトル解析では、試料中の水分子の吸収スペクトルが極めて大きく、グルコースのように分子特異的スペクトルが明確なもの、あるいはアルブミンのように血中濃度が極めて高い分子を測定する場合には、良好な相関係数を得ることが可能であるが、分子特異的スペクトルが弱い場合や血中濃度が低い場合には精度の高い定量測定は困難である。そこで、グルコースにターゲットを絞り、全血試料解析に用いたスペクトル解析手法による、経皮的中赤外スペクトル解析を検討しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
全血試料の中赤外スペクトル解析において、グルコースやアルブミンなど一部の血中成分については、目標としていた、標準的検査法による測定値との相関係数 r=0.95 を満たしたが、ヘモグロビA1C、総コレステロール、中性脂肪など、他の成分については、目標を満たすことが難しく、そのための中赤外スペクトル解析法のための検討に予定より多くの時間を要してしまった。また、個人的な理由となってしまうが、怪我のための長期入院(2ヶ月)が生じてしまい、研究が滞ってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
全血試料の中赤外スペクトル解析で良好な結果を得ることができたグルコースに焦点を当て、経皮的非侵襲的測定法の確立を検討する。 ①被験者の経皮的中赤外スペクトル測定を行い、測定結果の再現性が高く安定測定に適する測定部位及び測定時間の検索し決定する。②①で決定した測定部位及び測定時間にて経皮的中赤外スペクトル測定を実施する(30測定)。同時に標準的検査法による血糖値測定を行う(30測定)。30測定のうちの任意の20測定に対して、全血試料での検討に用いたスペクトル解析手法により検量線を作成する(トレーニングセット)。③残りの10測定の赤外スペクトルと検量線より スペクトルより予想される血糖値を算出し、標準法で得られた血糖値との間の回帰分析を行い(テストセット)、標準法に対して、誤差10%未満、相関係数 r=0.95 以上を目標とする。これを満たせない場合、②におけるスペクトル分析の検討が不十分であるとみなし、再検討を行う。④③を満たすことができたら、検証のために、患者及び健常人を対象に対照及び本法にて血糖測定を50測定実施し、 上述のスペクトル解析法を適応することにより血糖値を算出する。標準法に対して誤差20%未満、相関係数r=0.95以上を目標とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に、被験者の非侵襲的経皮的中赤外スペクトル測定を行い、血中成分測定に最適なスペクトル解析法を確立 する予定であった。しかしながら、一部血中成分において、最適化のための目標値である、標準検査法との相関係数 r=0.95 以上に至っていない。最適化検討および次ステップである最適化検証過程にて使用予定であった、標準検査法による血中成分測定のための試薬が未購入であったために未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
スペクトル解析法最適化のための追加検討及び次ステップにおける最適化検証過程を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることを計画している。
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