本研究は、高等教育機関内の教育改善に資するデータの収集・分析・報告を担うIRの機能に着目し、特に医学領域を事例として、機関別質保証と分野別質保証との関係性およびその中でのIR機能のあり方を明らかにすることを目的としたものである。研究の結果、1)機関別質保証と分野別質保証の関係性は、前者から後者へ重心が移行しつつあること、2)分野別質保証におけるIR機能については、各専門領域・専門職関連団体の各種の取り組みが、IR機能の標準化と効率化の役割を果たすという相補性が確認されること、3)日本の分野別質保証が、卒後から卒前へではなく、逆向きの方向で進展している特質が明らかになった。
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