脂肪移植法のドナーのひとつである腹部皮下組織には、浅筋膜により隔てられた浅層皮下脂肪組織と深層皮下脂肪組織が存在する。両者の細胞レベルでの機能的差異は明らかではなかった。ヒト腹部皮下脂肪を浅層と深層に分離し、それぞれから脂肪細胞を分離したところ回収数は浅層で有意に多く、浅層と深層の細胞機能に差があることを示唆していた。両者の脂肪分化能を比較したところ、浅層の脂肪細胞の方が深層と比べ有意に脂肪分化能が高かった。この傾向は継代後のccdPAでも同様で、細胞機能の差がエピジェネティックメモリーとして受け継がれている可能性が考えられた。
|