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2014 年度 実績報告書

温帯性タケ類の一斉開花現象に関与する花成制御遺伝子の網羅的探索

研究課題

研究課題/領域番号 25870144
研究機関東京大学

研究代表者

久本 洋子  東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (60586014)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードモウソウチク / RT-PCR法 / 一斉開花・枯死 / 日変動 / 季節変動 / 開花周期
研究実績の概要

タケ類は数十年に一度、一斉に開花・枯死する多年生一回繁殖型の植物である。開花・枯死には周期性があり、モウソウチクでは67年周期で開花・枯死する株が知られている。しかし、タケ類がどのように開花年を認識して開花に至るのか、そのメカニズムは未だ不明である。
本研究は、東京大学千葉演習林で1934年から管理されている開花年限試験地のモウソウチクを使用して、日長・季節・年次レベルで変動する遺伝子を探索することで、タケの“時計遺伝子”を推定することを目的とした。このモウソウチクは1930年に発芽し1997年に開花・枯死した67年開花周期が確認された株の実生(子供)である。モウソウチク林において、2013年春に出筍した3稈を選択し、日変動を調べるために2013年8月8日10時から9日10時までの24時間、2時間ごとに葉のサンプリングを実施した。また、季節変動を調べるために2013年8月から2015年4月現在まで毎月1回、正午に葉をサンプリングした。サンプルからRNAを抽出し、データベースに登録されているモウソウチクの遺伝子発現ライブラリーから、日変化や季節によって発現に影響を受けると推察される遺伝子を選択し、RT-PCR法により発現解析を行った。
その結果、モデル植物の研究で日長変化によって開花に関与することが知られているCONSTANS(CO)遺伝子のモウソウチク相同遺伝子の発現が日変動すること、また、水不足や他の環境ストレスによって発現し開花を誘導するDof相同遺伝子の発現が季節変動することが明らかになった。
本研究により、一斉開花・枯死という特殊な生活史をもつタケ類においても日長や季節性を認識する遺伝子が働いていることが示唆された。今後継続してサンプリングを行い、これらの遺伝子の年次的な変化を追うことで、開花周期に関わる遺伝子の探索につながることが期待できる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Quantitative real-time PCR (qPCR) - based tool for detection and quantification of Cordyceps militaris in soil2015

    • 著者名/発表者名
      Syaiful Amri Saragih, S. Takemoto, Y. Hisamoto, M. Fujii, H. Sato, N. Kamata
    • 雑誌名

      Journal of Invertebrate Pathology

      巻: 124 ページ: 70-72

    • DOI

      10.1016/j.jip.2014.11.002

    • 査読あり
  • [学会発表] 東京大学千葉演習林の開花年限試験モウソウチク林の稈の分布とジェネット構造2014

    • 著者名/発表者名
      久本洋子
    • 学会等名
      第14回竹林景観ネットーワーク研究集会
    • 発表場所
      九州大学福岡演習林講義室(福岡県篠栗町)
    • 年月日
      2014-07-12
  • [図書] 理科好きな子に育つ ふしぎのお話365: 見てみよう、やってみよう、さわってみよう 体験型読み聞かせブック2015

    • 著者名/発表者名
      自然史学会連合
    • 総ページ数
      391(244)
    • 出版者
      誠文堂新光社
  • [図書] 環境Eco選書10「冬芽と環境―成長の多様な設計図―」2014

    • 著者名/発表者名
      菊沢喜八郎・八田洋章・大澤雅彦・久本洋子・伊東明子・八木貴信・逢沢峰昭・本多久夫・小林幹夫・森田竜義・阪本寧男・田中法生・松本 定・樋口正信・北山太樹・細矢 剛・石原正恵・岩元明敏・尾谷幸寿・鈴木崇夫・渡邉途子・山田寛治
    • 総ページ数
      340(72-89)
    • 出版者
      北隆館
  • [備考] 東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林 教員の紹介

    • URL

      http://www.uf.a.u-tokyo.ac.jp/member/forest_ecosystem/hisamoto.html

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公開日: 2016-06-01  

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