申請者は、健診受診者及び膵炎患者の臨床情報とMRIによる膵管画像を統合した大規模データベースを作成し、過去の膵管形態異常と原因不明膵炎発症の関連を証明した研究に加え、以下の追加的成果を得た。(1) 膵管癒合不全を伴わない副膵管先端部の嚢胞状拡張は、慢性膵炎と関連が強い稀な後天的形態異常である。(2)ansa pancreaticaという稀な膵管形態異常は再発性急性膵炎の危険因子である。(3)原因不明の慢性高膵アミラーゼ・リパーゼ血症には、膵管形態異常である膵管癒合不全と蛇行主膵管が関与している。(4)慢性アルコール性膵炎は膵体尾部の萎縮をきたす。
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