研究課題/領域番号 |
25870152
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹峰 義和 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (20551609)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | メディア / フランクフルト学派 / 映画 / 近代 / テクノロジー |
研究実績の概要 |
平成26年度は、1.アドルノのテクノロジー・メディアをぐる思考を、1930年代から60年代までのメディア史的なコンテクストのなかに位置づける作業 2.モダニティの経験とメディアとの関連をめぐるクラカウアーの論考を手掛かりとして、ヴァイマル時代の映画を再考察する作業、の二つを中心に研究活動をおこなった。また、これまでの研究を外国語でまとめることで、海外に向けて研究成果を発信することを意識的におこなった。1の成果としては、東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻紀要『言語・情報・テクスト』に掲載された、„Beschwörung der filmischen Gespenster: Zu Theodor W. Adornos Reflexionen über technische Medien“が、2の成果としては、共編著『陶酔とテクノロジーの美学』(青弓社)およびそこに収録された『カリガリ博士』論、および、真野倫平編『近代科学と芸術創造 19〜20世紀のヨーロッパにおける科学と文学の関係』(行路社)に収録された『心の不思議』論が挙げられる。くわえて、クルーゲとアドルノの関係をめぐる学会発表をもとに新たに論文を執筆、Bruno Pucci, Renato Franco e Luiz Roberto Gomes (ed.), TEORIA CRÍTICA NA ERA DIGITAL: DESAFIOS (Publicado em janeiro)に、そのブラジル・ポルトガル語に翻訳された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
校務により予定していたドイツでの資料調査が今年度は実施できなかったものの、その分、国内での研究活動と、その成果を論文のかたちでまとめることに時間を割くことができた。
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今後の研究の推進方策 |
クラカウアーに関する文献調査のためにドイツに2週間程度滞在するほか、これまでの研究成果を単著としてまとめる作業を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度内に購入を予定していた書籍が発売延期となったため、11万円ほどを繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
書籍の購入費および資料収集のための旅費に使用する予定。
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