研究課題
若手研究(B)
本研究によって以下の3点が明らかとなった。1. クラカウアーとアドルノの双方のファシズム・プロパガンダ論に〈擬態〉と〈パフォーマティヴィティ〉という非明示的な特徴がある。2. アドルノの「モンタージュ」概念とクラカウアーの「リアリズム」の概念のうちに、複数の時間性の交錯という共通するモティーフが潜在している。3. ベンヤミン、クラカウアー、アドルノ、クルーゲにいたるフランクフルト学派のメディア論の系譜のなかに、〈知覚媒体〉としてテクノロジー・メディアを捉えるという視座が貫徹されている。
ドイツ思想史