研究課題
最終年度である平成27年度は,これまでに開発した計測システムを用いてフィールド試験を中心に研究を推進すると共に,データの取り纏め及び結果の外部発信に努めた.これまでの共同研究者との取組みの中で,ハスの全体分布形状に関しては,夏期における陸上からの観察及び,航空写真を用いた調査によって把握可能であるとの結論に至っており,本年度はドローンを利用したハス分布の空撮を試み,良好な結果を得た.また平成26年度に得た堆積層内の3次元音響画像を用いて蓮根の埋没密度を見積もった.凡そ,40-60 cm程度の深さに蓮根が分布しており,特に,堆積層の底質が泥質から砂質に変化する境界部の辺りで蓮根が分布していることが示唆された.さらにその音響計測の結果,反射強度の高いところは,砂泥質の底質を反映しており,低いところは泥質の底質を反映していた.砂泥質のエリアには,ハスが生えておらず,その他の沈水植物が繁茂していた.また,泥質エリアの浅部は,捕食穴が多数確認され,ハスも生えておらず,泥質エリアの深部は,ハスが繁茂していた.よって,音響計測により,底質や水深という観点から,ハスの今後の拡大域の推定などが可能になると考えている.また,これまでに取得してきたデータ,或いは平成27年度に取得するデータを纏め,共同研究者と議論し,今後の研究の方向性について議論した.査読付き国際誌への論文掲載や,海洋音響学会,日本陸水学会などの学会にて結果を発表し,成果を社会に還元した.
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (2件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)
Case Studies in Nondestructive Testing and Evaluation
巻: 5 ページ: 1-8
10.1016/j.csndt.2016.01.001
Marine Technology Society Journal
巻: 49 ページ: 31-37
http://dx.doi.org/10.4031/MTSJ.49.5.6
http://unac.iis.u-tokyo.ac.jp