研究課題/領域番号 |
25870154
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
藤波 伸嘉 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (90613886)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | オスマン帝国 / 国際法 / 憲法 / ギリシア |
研究実績の概要 |
本年度は、本研究課題の最終年度であり、トルコ共和国での史料収集を踏まえて、論文執筆やその他の形での成果の発表を行なうことを予定していた。ところが、2016年の春から夏にかけて、現地の政情不安や治安悪化のため、現地調査を断念することを余儀なくされた。また、長女の出生により、2016年夏から2017年春にかけて、長期の在外調査を行なうのが困難となった。以上の理由により、補助事業期間を一年延長し、2016年度に予定舌が支出に至らなかった渡航費の分を、2017年度に行なう研究に充当することとし、承認を得た。 以上の理由により、本年度は現地調査を行なう機会を得ることができなかったので、国内で実現可能な研究として、手持ち史料の分析、研究成果の発表、関係する研究書の収集に重きを置くこととした。とりわけ、研究成果の発表を英文で行なうべく、そのための英文校正を複数回行なったため、そのための支出が今年度は比較的多くなった。研究成果として、オスマン国際法学とギリシア国際法学に関する和文論文、ギリシア国際法学に関する英文論文、そしてギリシア憲法学に関する和文論文を発表することができた。これは本研究課題の中核を成す論点である。その意味で、本年度は、やや外在的な要因から、史料収集などインプット面では予定通りの成果を挙げることはできなかったが、論文執筆などアウトプットの面では、それなりの成果を挙げることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述の通り、2016年度には予定した在外調査を行なうことができなかったため、史料の収集という点でやや遅れをとった。やはり上述の通り、その分、国内で実行可能な研究、とりわけ研究書及び史料の読解や論文の執筆及び発表に注力し、一定の成果を挙げることはできた。ただし、歴史学の研究として、史料収集にやや遅れをとったことは少なからぬ痛手であるので、この分の遅れは、事業期間を延長した来年度に取り戻すよう努めたい。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の全体として見れば、順調に進展していると考えられるので、来年度については、上述の通り、トルコ共和国現地での史料収集を行なうことで、本年度分の遅れを取り戻したい。なお来年度からは改めて科研費による研究事業が採択されたので、本課題からそちらの課題へと橋渡しをしつつ、更なる研究の発展を目指したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
上述の通り、現地トルコ共和国の政情不安及び治安悪化、そして家庭の事情に伴い、今年度は予定していた在外調査を行なうことができなかった。そのため、補助事業期間を延長し、渡航費に予定した額を翌年度に充当することとした。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度に実施予定であったトルコ共和国での史料収集を行なうに当たっての渡航費に充当する。
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