冷中性子ビームとキセノン原子ガスの散乱角度分布を精密に測定することで、結合が弱く、まだ実験的に見付かっていない新しいスカラー粒子の探索を行った。実験は低速中性子散乱実験施設の冷中性子ビームを用い、約72時間の間散乱ターゲットに照射して、約1千万回に及ぶ散乱事象を取得した。実験結果を調べたところ、測定された散乱分布は既知の相互作用で十分に説明できるもので、未知粒子の兆候は確認されなかった。本実験の探索感度は、40ピコメートルから4ナノメートルのスケールにおいては、これまで行われてきたどの実験に比べても優れており、その結果として、未知粒子に対して世界で最も強い制限を付けることに成功した。
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