本研究課題の4年度目(最終年度)にあたる平成28年度は、これまでの研究を総括し、今後のさらなる発展へと繋げるべく、国内外において過去3年間の研究成果を発表することに注力した。 まず、国内においては、本研究課題の総括となる単著『崇高の修辞学』(月曜社)を出版し、さらに関連する講演等を通じて研究成果の公表に努めた。これにより、本研究課題が目的とする(主に西洋近代における)「崇高」概念の領域横断的な研究の成果を、広く周知することができたと思われる。 また、国外においては、新ブルガリア大学およびソフィア大学(ブルガリア)において「Philosophy's Imagination」という国際シンポジウムを組織し、海外の研究者との意見交換の機会とした。同シンポジウムでは、昨年度の成果物である論集『The Sublime and the Uncanny』を紹介し、この成果を今後のさらなる発展へと導くための基調講演を行なった。これにより、本研究課題が目的とする「崇高」概念の領域横断的・国際的な研究調査のネットワークを、今後さらに充実したものにするための基盤を構築しえたと言える。
|