本研究課題「西洋近代における「崇高」の思想史:美学および関連諸学への領域横断的アプローチ」は、西洋近代における「崇高」概念の成立と変貌を四年間にわたって研究・調査し、美学のみならず、哲学・詩学・修辞学などにまたがるこの概念の思想史的な広がりを明らかにした。その最大の成果は、古代のロンギノスによる『崇高論』を批判的に継承したドゥギー、ド・マン、ラクー=ラバルトらの議論を精査することで、そこから言葉と崇高をめぐる新たな問題を見いだしたことにある。本研究期間中においては、その成果の一端を著書(1件)・編著(1件)・論文(4件)・口頭発表(8件)として公表した。
|