本研究では、高時間解像度動学的最適電源構成モデルを構築し、10分値での電力需給や、多年度での長期にわたる電源構成、太陽光や風力発電の大量導入を分析可能とした。このモデルを用いて、複数の原子力発電のシナリオやCO2削減シナリオの下で、長期的な日本の電源構成のあり方に関して分析を行った。分析の結果、原子力依存度を低減し、CO2排出削減を実現するには、天然ガス複合発電、太陽光発電、風力発電など多様な電源オプション拡大が必要であるとの知見を得た。また、太陽光や風力発電大量導入のためには、蓄電池、出力抑制、デマンドレスポンスをそれらの費用対効果を踏まえ適切に導入することが重要であるとの示唆を得た。
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