ケージド化合物は、高い時空間分解能で細胞機能を制御することが出来る強力な研究ツールである。本研究では、boron dipyrromethene (BODIPY)の4位ホウ素にフェノール誘導体を導入した化合物が光分解性を示すことを利用し、500 nm以上の可視光で活性化可能なBODIPYケージド化合物を開発した。本化合物は、1)長波長の光での活性化が可能であるため生体組織深部への適応が期待できる、2)蛍光性であるためその細胞内局在の確認が可能である、といった従来のケージド化合物にはない特徴を有し、標的分子の局在に合わせた効果的なケージド化合物の創製が可能になると考えられる。
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