本研究は光触媒のモデル系である酸化物・金属界面における光励起キャリアのダイナミクスを、時間分解軟X線光電子分光法の元素選択性を活かしサイト選択的に観測することを目的とした。具体的には半導体を光励起した際におきる表面光起電力効果の緩和過程を内殻準位の光電子スペクトルを用いてリアルタイムで観測し、酸化物表面における光励起キャリア緩和時間を調べた。ZnO(0001)清浄表面では光励起キャリアの寿命が数十ナノ秒であるのに対し、Pt蒸着ZnO(0001)表面では1ナノ秒以下に短縮される事が分かった。光励起キャリアの短寿命化は、Pt蒸着により光励起キャリアの再結合中心が増加したためと考えられる。
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