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2013 年度 実施状況報告書

輸入水産物における情報の非対称性が我が国の消費者行動に及ぼす影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25870194
研究種目

若手研究(B)

研究機関福岡工業大学

研究代表者

大石 太郎  福岡工業大学, 社会環境学部, 助教 (80565424)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードアンケート調査 / 情報の非対称 / 消費者意識
研究概要

第一に、研究対象となる魚種の特定を行った。その結果、ブラックタイガー(輸入エビ)とクルマエビ(国産エビ)を2013年度の研究対象の魚種とした。研究開始の当初は、日本での輸入が少ないアジアの養殖淡水魚のナマズやティラピア、東南アジアのオーガニック養殖エビを分析対象とすることを検討していたが、2013年10月に日本国内のホテルや飲食店においてブラックタイガーをクルマエビとして販売する食品偽装が発覚し、社会的問題となった。この事件は輸入水産物における消費者と生産者の情報の非対称性がもたらす問題の典型であり本研究の研究対象として相応しいことに加え、社会的に優先度の高い課題であったため、輸入水産物としてブラックタイガーに焦点を当てることとした。
第二に、2013年11月下旬に初回のウェブアンケート調査を実施した。質問項目として、ブラックタイガーとクルマエビについて安価か高級かといったイメージや、味や見た目の違いが分かるかどうか、ブラックタイガーを忌避する理由などの設問を設けて質問を行った。また、バナメイと芝エビ、ロブスターと伊勢海老についても、ブラックタイガーとの比較分析を目的として適宜質問を行った。アンケートの結果、全国の消費者448名の個票データを得た。
第三に、得られた個票データに対する分析としては、各設問への単純集計およびクロス集計を行った。その結果、女性に比べ男性ほど、高年齢者に比べ若者ほどブラックタイガーに関する食品偽装を気にしていないこと等が明らかとなった。得られたデータの多くは未解析であるため、今後、因子分析・共分散構造分析による消費者心理の構造の解析やロジットモデル・プロビットモデルによる消費者行動の要因分析を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

研究対象となる魚種の特定においては、当初の予定どおり、初年度で分析対象となる魚種の特定を行うことができた。またアンケートにおいては、当初は初年度はプレアンケートとしていたが、研究が想定していたよりも順調に進展したため、初年度から十分な大きさのサンプルに対する本調査を行うことができたため。

今後の研究の推進方策

第一に、ウェブアンケートで得られた個票データに対して、因子分析・共分散構造分析による消費者心理の構造の解析やロジットモデル・プロビットモデルによる消費者行動の要因分析を行う予定である。第二に、ブラックタイガー以外の魚種についても、アンケート調査票を作成し、ウェブアンケートを実施する。第三に、特定されたグローバル水産物について、対象国への第1回目の現地調査(フィールド調査)を実施する。
さらに、日本人の魚離れそのものの原因を輸入水産物以外の観点からも明らかにし、水産庁の推進しているファストフィッシュ政策のような政策的インプリケーションを導出することにもつなげていくこととしたい。

次年度の研究費の使用計画

実施予定であったウェブアンケート調査について、同じ回答者に複数回のアンケートを実施し、時間経過に伴いどのような変化が生じたかを把握できるパネルアンケートを行うことで消費者意識の変化の把握も可能であることが先行研究のサーベイ時に明らかとなり、次年度以降にそれを行うことを視野に入れたため。
平成26年度以降に、同じ回答者に異時点間でのアンケート調査(パネル調査)を実施することで、当初想定していた研究に加えて、異時点間での消費者の意識変化も分析する。

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公開日: 2015-05-28  

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