研究課題/領域番号 |
25870203
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
半場 秀典 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (90634006)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 根面う蝕 / 石灰化 / 脱灰 / マイクロCT |
研究概要 |
超高齢社会を迎え、根面う蝕が発症するリスクが高まっている。根面う蝕のメカニズムについては不明な点が多く、対策が急務である。本研究は、露出した根面のう蝕抑制と石灰化誘導を目的とし、各種歯面処理材を象牙質表面に塗布し、人工唾液および脱灰液に浸漬後、マイクロCT解析及びSEM観察を行った。 1) 申請者らがこれまでに開発してきたマイクロCTを用いた歯質のミネラル評価法を用いた。マイクロCTは、微小焦点エックス線発生装置を有する断層撮影装置である。一度の撮影で試料の任意方向を非破壊的に観察することができ、試料の同一部位の経時変化を追うことができる。試料各断面の3次元画像表示を行うことによって、ミネラル分布や変化率の状況を解析することが可能となる。従来のマイクロラジオグラフィ(TMR)法での包埋・現像を必要としない上、試料各断面の3次元画像表示を行うことによって、ミネラル分布や変化率の状況を解析することが可能となる。 2) マイクロCT解析の結果、フッ化アルミノシリケートガラスとリン酸を主成分とする知覚過敏抑制材(ナノシール)及びリン酸四カルシウム、無水リン酸水素カルシウムを主成分とする知覚過敏抑制材(ティースメートディセンシタイザー)はネガティブコントロール群よりも有意な脱灰抑制効果を認めた。SEM観察の結果、象牙細管にナノシール、ティースメートディセンシタイザーの塗布直後および脱灰後の象牙細管への沈着が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度に予定していたマイクロCT解析による根面う蝕の抑制と石灰化誘導の解析を進めることができ、今後のさらなる展開が期待できる。また、マイクロCT解析の効率化を図るため、解析ソフトウェアの改良を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
マイクロCTによるミネラル変化の解析に加え、EDSによる元素分析や硬さ試験による機械的評価を行い、石灰化誘導の多面的なメカニズムを解析する必要がある。
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次年度の研究費の使用計画 |
オプションソフトの改良に時間を要し、次年度の使用計画となった。 解析PCおよびソフトウェアの購入を行うなど、マイクロCT解析の整備に使用予定。
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