研究課題
若手研究(B)
研究計画通り研究は進めていた。(1) これまでに、モーションキャプチャーと同等な機能を実現しながら、構造が非常にシンプルかつ安価なIMU センサー(複数の並進加速度と回転速度センサーを内蔵したモーションセンサー)による運動解析実験手法を提案してきた。本課題では、このIMU センサーを、手足の先端など数カ所に取付け、得られたデータから前述のmotion primitive の分割(segmentation)および認識(recognition)を行う手法を確立する。分割にはViterbi アルゴリズムを用い、動作の認識にはHMM を用いる。日常の様々な動作に関して実験を行い、85%以上の認識率を得られた。(2)接触力は、(1)のmotion primitive の抽出とは直接関係ないが、非常に有用な情報を含むことが多く、これまでにこの接触力を用いた動作のモデル化に成功している。本研究では、この接触力データを用い、一連の意味のある動作であるACTION を特徴付ける新たな手法の確立をできた。特徴ベクトルを用い接触力をモデル化した。
2: おおむね順調に進展している
本助成金に申請する際、事前調査行い、研究の実現性を確認できた。事前調査の結果に基づく申請書を作成したから、順調に研究は進めていく。また、設備などに関してより早く購入し、シミュレーション結果を確認でき、新しい実験データの取得もできた。そのデータに応じて研究は順調に進展している。また、その研究は海外の企業研究所は興味深くて、現在は現場のデータを取得中である。契約で結ぶ希望がある。
今年度の課題は次の2点がある:(1) 人間動作の文法解明:motion primitive とその集合体であるACTION の関係を、motion primitive 間の遷移課程から明らかにする。motion primitive が言語における単語に、ACTION が文章全体に対応すると仮定すると、本研究は、“人間動作における文法の解明”とも言うことができる。同一のmotion primitive が、異なるACTION においても使われることから、その役割を特定し、人間動作の文法の基本を明らかにする。その際、接触力から得られる情報も有効に利用する。(2) 人間とロボットの相互作用:本研究の最終目的は、人間とサービスロボット間でのより自然な非言語コミュニケーションの実現である。そこで、小型ヒューマノイド・ロボットNAOに本研究で開発する人間動作の文法に基づく動作認識アルゴリズムを搭載し、人間とロボットの協調作業に関する実験を行う。実験ではNAOと人間とが封筒を交換する状況を再現し、2種類のシナリオを用意する。一つは、ロボットが人間の動作を理解できない場合で、現在のロボットの状況を模擬したものである。もうひとつのシナリオは、ロボットが動作認識アルゴリズムを搭載し非言語コミュニケーションを可能にした場合である。何れの場合も、ロボットおよび人間の状況はビデオに録画し、また、同時にIMUと力覚センサーからの情報も記録し、評価する。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
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http://www.tuat.ac.jp/~venture/presentation-e.html