研究概要 |
本研究成果の目的は,複雑な形状や化学相互作用を有した異方性ナノ粒子(Janusナノ粒子)について分子シミュレーションを行い,自己集合過程や自己集合構造を系統的に分類することである.この研究によって,実際の実験の前に発現する機能の予測を立てること が可能となり,新規ナノデバイス設計の際に試行実験回数や費用を大幅に削減することが可能となる. その目的に対し,初年度は主にプログラム開発を行った.具体的には粒子数,圧力,温度一定のアンサンブルのプログラムの開発と剛体粒子を取り扱うことのできるプログラムの開発を行い,プログラムコードの妥当性を確認した.このプログラムを用いたナノチューブ内のトリブロックJanus粒子の自己集合形態についての研究を行い,J. Chem. Theory Comput.に発表した.(N. Arai et al., Self-Assembly of Triblock Janus Nanoparticle in Nanotube, 9, 179 (2013).)また,Janusナノ粒子とベシクルとの衝突および衝突後の安定構造に関する研究についても実施し,Nanoscaleに発表した.(N. Arai et al., A Vesicle Cell under Collision with a Janus or Homogeneous Nanoparticle: Translocation Dynamics and Late-Stage Morphology, 5, 9089 (2013).)
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