研究課題/領域番号 |
25870233
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
大河原 一憲 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (30631270)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 2型糖尿病 / エネルギー代謝 / 基質酸化 |
研究概要 |
欧米諸国において2型糖尿病患者の多くは肥満を伴い、インスリン抵抗性の増大が主たる発症の要因といわれている。一方、日本人は遺伝的にインスリン分泌能が低く、インスリン分泌不全を由来とする肥満を伴わない2型糖尿病患者が多くみられる。2型糖尿病治療の基本は食事療法と運動療法であるが、非肥満2型糖尿病患者に対する治療法のエビデンスは十分に得られておらず、主に肥満2型糖尿病患者を対象とした欧米の研究成果に基づいている。国内外の糖尿病治療ガイドラインにおいて食事療法の主目的は減量に位置づけられており、非肥満タイプに対してそのまま適用することが難しい点もある。非肥満タイプには食事摂取量を抑えるよりも、体重減少が進行しないようエネルギーバランスを保つための摂取量およびその栄養成分比率を提案することが重要である。さらに、減量が肥満タイプほど有効な手段となりえない非肥満タイプにおいて、身体活動・運動が治療の柱になるといえる。これらのことから、非肥満2型糖尿病患者のエネルギー代謝適応システムおよびそれに対する不活動の影響、身体活動・運動の効果について検討することは、日本人の2型糖尿病患者に対してより適当な食事・運動療法を提案するための基盤となる。そこで、当該年度は、安静空腹時と食事摂取時の糖・脂質酸化量を測定し、空腹時の脂質酸化量と空腹時と食事摂取後の糖・脂質利用比率の変化について健常な普通体重者と比較検討することを目的に研究を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度は、課題1に設定した「安静空腹時と食事摂取時の糖・脂質酸化量を測定し、空腹時の脂質酸化量と空腹時と食事摂取後の糖・脂質利用比率の変化について健常な普通体重者と比較検討すること」を実施することを計画していた。現在までに、有疾患群、コントロール群ともに目標人数までほぼ達成しており、現時点で取得済みのデータ解析を進めている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の課題1については、ほぼ計画どおりの測定被験者数まで達成したが、結果の頑強性を保持するために、引き続き追加実験を行なう。追加実験の準備はすでに進めており、次年度すぐに実験を実施する予定である。その後、データ解析を進め、研究成果の発表までを次年度中に行なう予定である。これまでに行なってきた課題1は、エネルギー摂取の観点から検討するものであるが、もうひとつの課題として、エネルギー消費の観点から検討する課題を設定している。そこで、次年度は日常生活における連続的な不活動時間および中・高強度の身体活動量とエネルギー代謝適応能について検討することから開始する。その後、運動負荷時のエネルギー代謝に関する研究についても進めていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初計画していた実験が次年度まで継続しなければいけなくなったため、それに必要な経費を次年度へ繰り越した。 当初計画していた実験(課題I)の追加実験に使用する。
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