研究課題/領域番号 |
25870257
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
渡邉 康春 富山大学, 医学薬学研究部(医学), 客員助教 (80646307)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | メタボリックシンドローム / 自然炎症 |
研究概要 |
病原体を察知する自然免疫センサーは、その内因性リガンドよって非感染性の慢性炎症に関与し、肥満やメタボリック症候群の進展に重要な役割をもつことがわかってきた。我々は、Toll様受容体RP105とその会合分子MD-1の欠損マウスにおいて、高脂肪食誘発性の肥満や脂肪組織炎症が緩和することを見出した。本研究では脂肪組織の慢性炎症におけるRP105/MD-1の機能を明らかにする。 1)RP105/MD-1の内因性リガンドの探索:肥満マウスの内臓脂肪組織の溶解物から、RP105/MD-1と相互作用する候補分子をプロテオーム解析ならびにメタボローム解析から見出した。現在、RP105/MD-1に特異的に相互作用するのかRP105欠損マウスの脂肪組織を用いて検証中である。 2)脂肪組織炎症に関与するRP105/MD-1発現細胞の解析:血球系と非血球系のいずれのRP105/MD-1発現細胞が、脂肪組織炎症に関与するのか明らかにするため、RP105と野生型マウスの骨髄細胞を相互に移植した骨髄キメラマウスの作出に成功した。現在、高脂肪食を摂餌させ脂肪組織炎症を解析中である。 3)RP105/MD-1の発現を制御するメカニズムの解明:脂肪細胞とマクロファージの接触性相互作用により、RP105/MD-1の発現が増加することを見出した。また、既知の糖尿病治療薬ピオグリタゾンで脂肪細胞を前処理することによって、マクロファージとの接触性相互作用が抑制され、RP105/MD-1の発現増加が抑制されることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本大学動物施設の改修工事により、マウスの飼育環境の変化に伴って摂餌量が変化し、正確な肥満に伴う脂肪組織炎症の解析が困難であった。また、マウスの飼育数が制限されたことから、研究計画の遅延に繋がった。現在は改修工事が終了したことで、飼育環境が安定し、また飼育数も十分に確保できている。
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今後の研究の推進方策 |
1)RP105/MD-1の内因性リガンドの探索 肥満により肥大化した脂肪組織中にRP105/MD-1と相互作用する候補分子をいくつか見出したが、RP105/MD-1に特異的に相互作用しているのか未検証のままである。RP105欠損マウスの脂肪組織を用いて、プロテオーム解析ならびにメタボローム解析を再度行いRP105/MD-1と相互作用する分子を絞り込む。 2)脂肪組織炎症に関与するRP105/MD-1発現細胞の解析 野生型マウスの骨髄細胞を相互に移植した骨髄キメラマウスに高脂肪食を摂餌させ、脂肪組織炎症の解析を継続しておこなう。また、マクロファージ特異的なコンディショナルノックアウトマウスの作出に着手する。 3)RP105/MD-1の発現を制御するメカニズムの解明。 脂肪細胞とマクロファージの接触性の共培養と個別に培養したもの、また脂肪細胞をピオグリタゾンで処理した細胞からRNAを抽出し、マイクロアレイで比較解析することによって、脂肪細胞とマクロファージの接触性相互作用に関与し、RP105/MD-1の発現を誘導する分子を探索する。
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次年度の研究費の使用計画 |
マイクロアレイ解析を実施しなかったため、次年度使用額が生じた。 マイクロアレイ解析の実施費用にあてる。
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