研究実績の概要 |
ネットワークモジュラリティとは,モジュール内の密な繋がりとモジュール間の疎な繋がりを特徴とするネットワークの区画化度合いである.申請者は最近,コオロギにおける外敵からの逃避行動を数理モデル化するとともに,ノイズに対するロバスト性の向上が,制御ネットワークモジュラリティを上昇させることを,線形適応制御システムの枠組みで数理的解析を推進した,その成果が英文誌に採録された(Y. Ikemoto and K. Sekiyama, Modular network evolution under selection for robustness to noise, Physical Review E, Vol.89 No.4, 2014).そこでは,制御システムにおけるシステムマトリックスのモジュール構造の自発的獲得のための原理をロバスト制御の枠組みで論じ,数理的に証明した. 上記成果をもとに,制御ネットワークのモジュラリティ形成に関して,非線形システムに適用し,さらなる理論展開を進めている.また,制御ネットワーク形成原理を本申請研究の課題の一つであるスマードグリッド設計に適用するため,ミニマル電送網モデル構築を進めている.また,それのみならず,ロボット,とくに多脚移動ロボットの歩容パターン生成のためののsensor-motor間の制御ネットワーク設計にも着手し,本申請研究の波及的適用事例を探求している.
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