研究課題/領域番号 |
25870263
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
平石 博敏 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 研究員 (40643789)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 道徳判断 / 脳活動 / 自閉症 / 発達変化 |
研究概要 |
今回の研究では、道徳的判断における(1)発達的変化と(2)自閉症の有無での違いを脳活動面から明らかにすることが重要である。 (1)発達的変化を明らかにするには、就学前のこどもから成人までが被験児・者として存在する必要がある。被験児に関しては、プールが大きくないこと、また、被験児の負担を減らすためにも、他の実験者と被験児および実験時間を共有する必要があるため、被験児・者のリクルートおよび実験方法の集約などを行い、5月からの実験に向けて、準備が整いつつある。また、MEGにおいては、正確な脳活動部位を同定する方法として磁場源推定法がある。これを行うためには、脳の解剖学的情報を得ることが必須であり、MRIを用いて脳構造を撮像する必要がある。MRI撮像は倫理的な問題があるために子どもには適用できないが、成人では必須であるにもかかわらず、MRI装置が壊れたため、修理が必要となり、成人の実験を行えていない。 さらに、発達変化を見るためには、子どもと成人が共通する課題を行うことが求められる。そのために、こどもを対象として予備実験を行った結果、呈示された刺激の中に文字(特に漢字)がある場合、こどもは呈示時間内に読みきることが出来ず、結果として、課題遂行が難しいことが分かった。そのため、文章による刺激をあきらめ、就学前のこどもでも理解できるように、文字なしの3コマ漫画による刺激を作成を行っている。 (2)自閉症児・者に関するリクルートは、順調に行われているため、比較データが揃うと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(1)就学前の児童を対象として予備実験を行った結果、呈示された刺激の中に文字(特に、漢字)があると児童には課題遂行が難しいことが分かったため、就学前児童でも理解できるイラストによる3コマ漫画を作成した。 (2)他の実験者と実験時間等を共有するため、進みが遅い。 (3)成人用の解剖学的情報を集めるためのMRIが故障したため、成人のデータが集められなくなっている。
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今後の研究の推進方策 |
他の実験と小児被験者を共有しているため、夏休み前後で小児のデータを取り、秋以降に成人のデータをとるように、計測の順序を変更する。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度において、前述の諸事情により予定していた具体的な実験が行えず、人件費・謝金として計上していた予算を使えなかったことや、予定していた国際学会が4月になったために年度内に計上できなかったことで、結果的に次年度使用額が生じた。 予定していなかった被験者共通のイラスト刺激作成費用が発生したので、そこに使えなかったお金を充てる。
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