戦後アヴァンギャルド芸術運動は、文学・映画・戯曲などのジャンルを横断してどのような表現を生み出したか。また、それらは国境を越えてどのように波及したか。本研究ではこうした問題を、戦後前衛芸術運動の若き旗手であった安部公房を事例に考察した。具体的には、小説・戯曲・映画と様々なジャンルに改作された『友達』、大坂万博上映作『1日240時間』、安部と協働した勅使河原宏監督の『サマー・ソルジャー』を分析した。また、大阪万博以来死蔵されていた『1日240時間』をデジタル復元し、再上映を実現した。 研究成果は国際シンポジウム、研究会等での口頭発表で報告し、それらを基にした論文を学術雑誌および図書に発表した。
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