研究概要 |
溶液中で近赤外領域に大きなストークスシフトを示し,尚且つ,凝集状態においても蛍光を示す新規色素の開発を目的とした.このような色素として,これまでの知見から,イミノケトン配位子を有するホウ素錯体1-3を分子設計し合成した. 溶液中での結果を以下に示す.ホウ素錯体1-3のアセトニトリル中での最大蛍光波長Fmax,ストークスシフトSS,蛍光量子収率Qは以下の通りであった:1 (Fmax = 565 nm, SS = 113 nm, Q = 0.03), 2 (Fmax = 627 nm, SS = 96 nm, Q = 0.13),3 (Fmax = 710 nm, SS = 174 nm, Q < 0.01).平成25年度は溶液中において,Fmax > 700 nm,SS > 100 nm,Q > 0.3の色素の開発を目標とした.ホウ素錯体3については,Fmax とSS については目標を達成できたが,Qについてはできなかった. 凝集状態(固体状態)での結果を以下に示す.ホウ素錯体1-3の固体状態でのFmaxおよびQは以下の通りであった:1 (Fmax = 629 nm, Q = 0.20), 2 (Fmax = 663 nm, Q = 0.16),3 (Fmax = 706 nm, Q = 0.06).平成25年度は固体状態において,Fmax > 700 nm,Q > 0.2の色素の開発を目標とした.ホウ素錯体3については,Fmaxについては目標を達成できたが,Qについてはできなかった.
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