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2014 年度 実施状況報告書

緩和ケアの妥当な在り方に関する比較法的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25870294
研究機関静岡大学

研究代表者

神馬 幸一  静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (60515419)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード医事法 / 終末期医療
研究実績の概要

1. 研究対象
本研究は,世界各国で展開されてきた「緩和ケア(Palliative Care)」の取組み内容を検証することで「どのように人生の終わりを迎えるか」という一般国民にとっても関心の高い論点について,医事法学的観点から,その妥当な在り方の提示を試みるものである。特に緩和ケアが発展してきた過程において見落とされてきた法的諸問題を点検し,未だ曖昧な内容を有する緩和ケアの将来的発展が及ぼすであろう社会的影響に関して,比較法的な検討を加える。そのために,終末期医療における法的・倫理的問題を対象として,国内外の研究者との情報交換をし,海外における議論を中心に,基礎的資料の収集及び整理を行った。
2. 実施内容
前年度より在宅医療に関する法的・倫理的問題を検討する研究会に所属して,実務的な観点からの問題状況に関する情報収集を行った。
また,我が国の終末期医療を巡る代表的な刑事判例として「川崎協同病院事件(最高裁平成21年12月7日刑集63巻11号1899頁)」の評釈を刑法判例百選Ⅰ総論(第7版)44頁以下で公刊した。この評釈は,結論として,我が国の議論では,あまり着目されてこなかった「義務衝突」という違法性阻却事由から,治療中止の場面における許容できるかを探るものである。現在,更に詳細な検討を紹介するべく,論文公刊を準備中である。更にドイツ語圏における高齢者虐待に関する論文を翻訳中の段階であり,この翻訳から,介護の現場における高齢者が置かれた状況を把握することが可能になるものと思われる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

調査を予定していた内容に関して,おおむね必要とされる資料の収集が完了し,現在,その分析が進行中。

今後の研究の推進方策

来年度に向けては,収集された資料を整理した上で,私見をまとめあげる作業に取りかかる。

次年度使用額が生じた理由

旅費に関して経路変更に伴う節約分が生じたため

次年度使用額の使用計画

来年度に繰り越して使用する予定

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (5件) (うちオープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 治療行為の中止:川崎協同病院事件2015

    • 著者名/発表者名
      神馬幸一
    • 雑誌名

      別冊ジュリスト刑法判例百選Ⅰ総論(第7版)

      巻: 220号 ページ: 44-45

  • [雑誌論文] オーストリアにおける臓器移植医療の法的規制状況 : (含:新旧オーストリア臓器移植関連法条文訳)2015

    • 著者名/発表者名
      神馬幸一
    • 雑誌名

      静岡大学法政研究

      巻: 19巻2号 ページ: 198-151

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] ヒト由来生物学的材料に関するドイツ法体系2014

    • 著者名/発表者名
      神馬幸一
    • 雑誌名

      慶應法学

      巻: 29号 ページ: 135-177

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 法的守秘義務に関する倫理的多義性2014

    • 著者名/発表者名
      神馬幸一
    • 雑誌名

      生命倫理

      巻: 24巻1号 ページ: 107-115

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ドイツにおける血液事業の法的枠組(含:現行ドイツ「輸血法」条文訳)2014

    • 著者名/発表者名
      神馬幸一
    • 雑誌名

      静岡大学法政研究

      巻: 19巻1号 ページ: 134-95

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 医療と法2015

    • 著者名/発表者名
      神馬幸一
    • 学会等名
      NPO法人ヒューマン・ケア支援機構「医療の倫理とコミュニケーション・入門コース」
    • 発表場所
      藤枝市立総合病院講堂(静岡県藤枝市)
    • 年月日
      2015-02-14 – 2015-02-14
    • 招待講演
  • [学会発表] 医師に課される法的守秘義務の変容?2014

    • 著者名/発表者名
      神馬幸一
    • 学会等名
      第44回日本医事法学会
    • 発表場所
      中央大学駿河台記念館(東京都千代田区)
    • 年月日
      2014-11-30 – 2014-11-30
  • [学会発表] 医療事故調査制度の在り方2014

    • 著者名/発表者名
      神馬幸一
    • 学会等名
      神奈川県保険医協会医療問題研究会
    • 発表場所
      神奈川県保険医協会(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      2014-05-10 – 2014-05-10
    • 招待講演
  • [図書] 刑法各論2014

    • 著者名/発表者名
      大野真義=加藤久雄=飯島暢=島田良一=神馬幸一
    • 総ページ数
      472
    • 出版者
      世界思想社

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公開日: 2016-06-01  

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