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2015 年度 実施状況報告書

質量顕微鏡を用いた肝癌微小環境における脂質合成・代謝経路の解析

研究課題

研究課題/領域番号 25870302
研究機関浜松医科大学

研究代表者

森田 剛文  浜松医科大学, 医学部, 助教 (60464129)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード大腸癌 / CTOS / 質量顕微鏡 / 癌微小環境 / ホスファチジルイノシトール
研究実績の概要

肝細胞癌手術検体から作成したCancer tissue originated Spheroids (CTOS)は、文献で報告されている大腸癌由来のCTOSよりも培養や継代が困難だった。そのため、文献(Kondo J. et al:PNAS. 2011)でこれまでに報告されている手法を踏襲し、大腸癌由来のCTOSを作成し、解析を進めることとした。大腸癌由来のCTOSを質量顕微鏡で解析したところ、m/z 885.5の物質がCTOSの辺縁部に豊富に存在することが分かった。また、大腸癌細胞株を3次元培養したspheroidでは、そのような局在の変化は認めなかった。m/z 885.5の物質は、その後の解析によりホスファチジルイノシトール(PI(18:0/20:4))であることが判明した。更に、ヒトの大腸癌組織切片を質量顕微鏡で解析したところ、やはり腫瘍の辺縁部にはホスファチジルイノシトール(PI(18:0/20:4))が豊富に存在していることが判明した。腫瘍辺縁部に特定のリン脂質が存在することにより、癌と周囲組織の微小環境に何らかの影響を与えている可能性が示唆された。
以上の内容をまとめ、現在論文登校中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

肝細胞癌でのCTOS作成は困難だったものの、大腸癌由来のCTOS作成は安定的に行うことが出来た。作成したCTOSを質量顕微鏡で解析することにより、腫瘍微小環境に関しているであろう特定のリン脂質を見いだすことが出来た。また、その結果はヒト大腸癌の切除標本の解析でも同様の傾向を示した。
現在は結果をまとめ、論文投稿中である。

今後の研究の推進方策

平成28年度中に論文化することにより、研究成果を広く世界に発信する予定である。

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公開日: 2017-01-06  

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