大腸癌手術摘出標本から作成したCancer tissue originated Spheroids (CTOS)を質量顕微鏡を用いて解析したところ、m/z 888.5 の物質がCTOSの辺縁部に豊富に存在することが判明した。m/z 888.5の物質は、タンデム質量分析の結果からホスファチジルイノシトール(PI(18:0/20:4))であることが明らかとなった。更に、人の大腸癌組織切片を質量顕微鏡で解析したところ、やはり腫瘍の辺縁部には(PI(18:0/20:4))が豊富に存在た。腫瘍辺縁部に特定のリン脂質が存在することにより、癌周囲組織微小環境に何らかの影響を与えている可能性が示唆された。
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