研究課題
名古屋大学プラズマナノ工学研究センターで独自に開発された超高電子密度大気圧プラズマを照射した培養液が脳腫瘍培養細胞にアポトーシスを誘導することを発見し、この培養液を「プラズマ活性培養液」と名付けた。プラズマ活性培養液が脳腫瘍培養細胞にアポトーシスを誘導する細胞内分子機構として、PI3K-AKTシグナル伝達経路とRAS-MAPKシグナル伝達経路を抑制すること、またプラズマ活性培養液が細胞内に活性酸素種(ROS)を上昇させることが関与していることを明らかにした。多くの共同研究によりプラズマ活性溶液の医療応用の可能性が拡がった。例えば、産婦人科との共同研究によりプラズマ活性培養液は抗癌剤耐性卵巣がんにも抗腫瘍効果を発揮することを動物実験により実証し、産婦人科・消化器外科との共同研究によりがん性腹膜炎の治療にプラズマ活性溶液が期待できることが示された。更に眼科との共同研究により、プラズマ活性溶液はレーザーで誘起された脈絡膜新生血管を抑制し、加齢黄斑変性の治療にも有望であることが示された。プラズマ活性溶液の論文はプラズマ医療科学の分野に大きな波及効果をもたらし、Plasma Medicine誌において「最もダウンロードされた論文」となった。またプラズマ医療関連の国際会議においてプラズマ活性溶液のセッションが設けられるようにもなった。研究期間全体を通じて、プラズマ活性溶液に関する10件の論文公表と9件の特許出願を行った。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 7件、 謝辞記載あり 7件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 4件) 産業財産権 (6件)
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