近年の環境問題への関心の高まりを背景に、ディーゼルエンジンなどから大気中に放出される窒素酸化物のモニタリングや浄化技術が注目を集めている。本研究では、窒素酸化物の無害化につながる電気分解現象に着目し、イオン導電体を用いて窒素酸化物を電気化学的に還元することを試みた。その結果、水の電気分解により生じた活性種が、窒素酸化物を窒素に無害化することが分かった。また、電解反応は両極で起こり、直流だけでなく、交流も利用できることが分かった。このことは、窒素酸化物を無害化するデバイスの構築の際に、両極の利用の可能性を示しており、デバイス構成部材の簡素化や小型化につながると期待できる。
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