研究課題/領域番号 |
25870315
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
西本 和見 中部大学, 全学共通教育部, 講師 (30586748)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 経済学史 / 戦後アメリカ / 社会的選択 |
研究実績の概要 |
本年度は、K. J. アローやW. H.ライカ―の経済思想や方法論をそれぞれ考察し、50年代から60年代にかけての選択理論の歴史を明らかにすることを目的とした。 本年度の研究は、アローの最初の著作である『社会的選択と個人的評価』がRAND研究所において行われており、本研究の重要な部分を占めている。また、ライカ―は政治学者であるが、経済学方法論と類似の方法論を政治学で応用しようとした点で、50年代当時の選択理論のバックボーンになるとの考えから、考察を進める予定であった。 しかし、本年度は出産に係る産休・育休により、本年度のほぼ全ての期間で休業することとなった。したがって、本年度の研究成果は、第20回進化経済学会東京大会での研究成果に限られる。本報告では、K. J. アローの『社会的選択と個人的評価』から出発し、その第6章、第7章における彼の言説から彼にとって個人の選択から社会的選択を導出するうえで、それが単なる個人ないし個人の選択の集合体という意味ではなく、有機的なつながりを持つ「社会」であることを示した。そしてその後アローが出版する『組織の限界』にもその思想は受け継がれ、同書にも同様の有機的なつながりとしての「社会」(ただし、同書ではこの社会は組織として描かれている)が説明されていることを指摘した。このような、アローの1950年代から60年代にかけての思想が本年度の成果である。そのほか共著論文も執筆したが、本年度には成果として発表されなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究実績の概要でも記入したとおり、本年度は出産に係る産休・育休により、本年度のほぼ全ての期間で休業することとなったため。
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今後の研究の推進方策 |
すでに期間延長申請書を提出しており、本年度の課題はほとんど全てを次年度の研究に延長することで研究を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
すでに研究実績の概要でも述べたが、本年度は出産に係る産休・育休により、本年度のほぼ全ての期間で休業することとなった。また、産休期間前に出席する予定であった研究会や学会、また資料調査など研究に係る諸活動についても、医師の診断により控えるよう指摘を受け、参加予定であった学会をキャンセルするなど、予定に変更が出た。それにより、本年度は請求金額に対してほとんど使用しなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、本年度のほぼ1年が研究中止となったので本年度の研究をそのまま引き継いで行うことで使用計画とする。
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