本研究の目的は、古代世界の復元を通じてどのような「ラテン」が生み出されたのか考察することにある。合衆国は第一次世界大戦を境にヨーロッパから自立した国家芸術の確立を目指す。本研究は、1915年に開催されたパナマ太平洋万国博覧会に注目する。本研究の調査対象となるのが以下の3点である。一つ目は、パナマ太平洋万国博覧会に出品された展示物、とくに彫刻、壁画、建築である。二つ目は1910年代の合衆国で流行した史劇映画である。三つ目は合衆国におけるメキシコの歴史や文化に関する研究の活発化である。同時に、合衆国の独自の文化を確立する過程で重要な役割を果たしていると考え、アフリカ探検の推進を視野に入れている。
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