研究課題/領域番号 |
25870320
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
金森 亮 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (40509171)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 交通需要マネジメント / 駐車場管理 / 自動精算データ / メカニズムデザイン |
研究概要 |
駐車場予約システムは駐車施設を探す手間・時間をなくせるため,来訪者の活動時間を長でき,交通事故削減など安全性向上につながると期待される.さらには電気自動車の充放電管理やカーシェアリング運営にも応用可能であり,今後の重要な交通マネジメントの1つと考えている. 本研究の目的は,実社会への適用を前提とした計算論的メカニズムデザインの視点から「リアルタイム駐車マネジメント」を検討することである.具体的には,従来は経験的判断によって決定されてきた駐車料金設定に対し,過去の膨大な駐車管理データから利用パターン抽出や数時間後の需要予測などビックデータの利活用方法の検討,利用者ニーズに応じた価格決定が可能となるオンライン・オークション型の予約システムの理論的検討を行い,駐車場管理者と協力して料金変更や予約制導入など小規模の社会実験実施とその結果も用いたシミュレーション評価を行うことを目標とする. 本年度は駐車場の自動精算データを民間企業から提供いただき,駐車場利用特性の把握,料金変更の影響分析をビックデータ的分析手法で行った.また駐車時間と料金の関係性を把握するため駐車時間モデルを構築し,性格の異なる単位時間当たりの料金と打切り料金の設定の影響を分析した.一方,計算論的メカニズムデザインの視点からオンライン・オークションの専門家と意見交換を行い,希望入出庫時間帯と支払い価格を正直に入札してもらうようprecommitment 制度や頻度モデルの導入など,既往の研究論文を整理し,逐次的VCG ではない,駐車場予約に即したモデルを検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大規模な駐車場の自動精算データ分析に向けたデータ整備に予想以上に時間を要したが,1億件以上のデータを有効利用し,実施計画の通り,駐車場利用特性分析や駐車場モデル構築ができた.またメカニズムデザインの研究分野で著名な先生が大学企画セミナの招待講演者として来日され,大変貴重な議論を行うことができた.
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今後の研究の推進方策 |
駐車場料金変更に伴う利用状況の変化を把握するため,民間企業の協力を経て料金変更前後の自動精算データの分析,さらには予約システムに関する意見収集を行い,低炭素社会に即した交通マネジメントについて検討する予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
メカニズムデザインの著名な先生との議論を米国ハーバード大で当初予定していたが,来日され,その必要がなかったこと,また参加予定であった国際会議発表がリジェクトされたこと,データ整備に学生の研究補助を予定していたが,民間企業に担当いただいたことから差額が生じた. 国際会議への積極的な投稿・参加による成果報告,新たなデータ整理は当方で担当することとなりそうであるため,計算機購入・研究補助費を活用予定である.
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