研究課題/領域番号 |
25870329
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
深井 英喜 三重大学, 人文学部, 准教授 (10378276)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 社会関係資本 / 地域診断調査 |
研究実績の概要 |
2015年度に県内S市より「地域福祉計画」策定のための予備調査実施の依頼が入った。この調査事業の仕事が入ったことで、当研究で2015年度に予定していた研究スケジュールが遅れる結果になった。しかし他方で、S市の社会構造調査を実施することができる機会を得ることができたことは、本研究にとっても利点のあることであった。 S市の意向を踏まえて、当該市での調査は社会関係資本(social capital)の把握を目的として実施した。内閣府による社会関係資本に関する研究の成果をはじめとする先行研究・調査を踏まえて、「信頼」「規範意識」「シチィズンシップ」「社会インフラ」「社会参加」「社会ネットワーク」の各領域についての調査と考察を目的とした調査計画を設定して実施した。調査の結果について、2015年度末の現時点ではデータのクリーニング作業が終了し、各項目ごとの単純集計にまとめたまでであるため、より踏み込んだ考察が、2016年度の前半の作業課題となっている。 S市の調査は、住民基本台帳からの無策抽出による市民アンケート(量的調査)と、字単位での住民へのヒアリング(質的調査)とを組み合わせて行った。量的調査では47.2%の有効回収率を確保できたため、質的調査の結果とも組み合わせることで、非常に質の高い分析や考察ができると期待している。 2016年度の進め方として、S市に焦点を当てて、S市に関する政府等が持つマクロ/ミクロ・データと、2015年度に実施したS市での調査結果とを比較する作業を考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
S市からの調査事業の仕事の依頼があり、それに優先的に取り組んだことが遅れの一因である。また、イギリスの研究者との打ち合わせなどを計画していたが、昨秋来頻発したヨーロッパでのテロ事件の発生によって、渡欧の計画を立てることが難しくなり、先方と打ち合わせて無理をしないこととした。以上を踏まえて、当研究課題の1年間の延長を申請した。
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今後の研究の推進方策 |
S市の依頼で実施した調査の結果は、本研究にとっては比較考慮するべき具体的なデータを収集する機会になったと評価している。上述のように、調査の実施状況は質の高い分析や考察をするのに必要な条件を満たすことができたと思われるので、本年度の早い段階で分析と考察を進めたいと考えてる。 まずは本研究も対象をS市に焦点を当てて、S市で実施した調査の結果を活用しながら、当研究を深める方向で進めていくことを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
最大の原因は、予定していたイギリスへの渡航をテロ事件による影響で見送ったことにある。
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次年度使用額の使用計画 |
2015年度に見送ったイギリスへの渡航を実施する。 また、本年度は昨年度のS市での調査の結果を活用して当研究を進めることを計画するため、S市への交通費にも一部充当したいと考えている。
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