QT延長症候群7型(LQT-7)は、心電図のQT/QU時間延長、周期性四肢麻痺、骨格異常を三徴とした、心室性不整脈の原因となる疾患であり、KCNJ2遺伝子異常が原因である。遺伝子変異の異なるLQT-7患者3名より人工多能性幹(iPS)細胞を樹立し、分化心筋を解析した。単一細胞の活動電位解析では、活動電位持続時間と最大拡張期電位に有意差を認めなかったが、多電極アレイ解析では、LQT-7においてフレカイニドにより不規則な興奮が減少し、イソプロテレノールを投与しても異常な興奮が誘発されず、不整脈予防効果が推測された。本研究により疾患研究や薬剤効果の検討に疾患特異的iPS細胞研究の有用性が示唆された。
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