研究課題
[最終年度に実施した研究成果] 本年度の研究では、計算創薬に大きく貢献する論文を発表することに成功しました。その論文は、昨年度に続いて今年度にも開発してきた、「能動的ケモジェノミクス」という手法です。手法は、膨大な化合物とタンパク質相互作用のネットワークの中から、新規相互作用に役立つタンパク質と化合物を効率に抽出する方法です。この手法の特徴は、計算創薬において膨大な相互作用データを不要とすることです。複数の公開創薬ビッグデータを用いて多数の実験を行った結果、少量の相互作用データのみから高精度予測モデルを構築することができることができました。ようするに、再現性も証明できました。また、この手法のもう一つの特徴は、どの分子記述子(例:タンパク質のアミノ酸部分配列頻度)を使っても、開発してきた手法はその記述子の中から有意な情報を活かして相互作用モデルを効率よく構築できることです。[研究期間全体の研究成果] この研究では複数の研究成果ができました。計画どおり、遺伝子発現データを解析する基盤の作成に成功できました。研究期間中に遺伝子発現の計測技術が大きく進歩したため、それに対応する計算基盤を作る必要がありました。その基盤を今度の病原分子特定と計算創薬で繰り返し用いることができます。また、本研究で成し遂げた業績により、ケモジェノミクスという研究分野において数多くの論文と招待講演ができました。[今後の研究とのつながり] 本研究で行った結果は今後の研究計画に大きく影響しています。遺伝子発現解析基盤は進行中の臨床研究に用いており、また後半に開発と発表した「能動的ケモジェノミクス」の基盤を、製薬会社との連携で実際の創薬研究に用いることを交渉しています(海外・国内それぞれの製薬企業)。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件) 備考 (1件)
Future Medicinal Chemistry
巻: 9 ページ: 381-402
10.4155/fmc-2016-0197
Gyncecologic Oncology
巻: 141 ページ: 49
DOI: 10.1016/j.ygyno.2016.02.027
http://statlsi.med.kyoto-u.ac.jp/~jbbrown/publications