個人情報の保護につき,その一般法理をどのように構築するかは,個人情報をなぜ保護すべきかという問題をいかに考えるかによって変わり得るのではないか,近時話題となっている「忘れられる権利」を広く認めるか否かもそれに左右されるのではないかという問題意識から,フランス法を比較対象として,個人情報の保護につき検討を加えた。 その結果,個人情報も公共財だと捉えるのであれば,個人情報の保護は公共の利益にかなう限りで認められ,「忘れられる権利」も否定されやすいのに対し,個人情報を個人のいわば所有物だと考えるのであれば,個人情報の保護は広く認められ,「忘れられる権利」も広く肯定されやすいとの結論に至った。
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