研究課題
本研究の目的は、ブータン王国において生活の場に根ざした持続可能な高齢者健診体制を構築し、地域住民の保健・福祉に寄与しながら、その実践を通じて、高齢化を来す我が国及び世界の国々の保健政策のあり方にヒントを提示することである。現在、ブータン王国保健省と協力しながら高齢者健診の導入を進めている。プロジェクトに関して、本年度はダガナ県ドルジェガン診療所を拠点としてプナカ県、ブムタン県、サルパン県、ダガナ県、ツィラン県、ガサ県より集まった保健スタッフと共にTraining of Trainers (ToT) on Community-Based Medical Care for Elderly Peopleを行いました。本科研費から旅費を支給してブータンの診療所から2名の保健師を日本に招いた。その機会を利用して、京都大学において、高齢者健診の今後の進め方について議論を行った。また、東邦大学病院においてミーティングを行った。そして、高知県土佐町の長寿健診に参加し、特別養護老人ホームを見て回りながら、地域在住高齢者のケアの仕方について意見を交換し合った。本研究を進める上で、ブータン現地において高齢者健診体制の構築を担うスタッフが高齢化率4割に達する土佐町の高齢者ケアの現状を直に把握することは極めて重要であると考えている。
2: おおむね順調に進展している
タシガン県カリンで始まった高齢者健診が、ブータン全土に拡大を続けている。計画を進める中で、村人や現地保健スタッフ、保健省スタッフとの信頼関係を今も維持できているため、目的はおおむね順調に進展していると判断している。保健省にこの計画専任の上級企画官も配備され、2015年7月10日にはこの高齢者ケア計画を全国に広げることを盛り込んだPerformance Agreementにブータン王国総理大臣ツェリン・トブゲイ氏と保健大臣タンディン・ワンチュク氏の両者が署名を行った。プロジェクトが国に根づいてきつつあると考えている。
生活の場に根ざした持続可能な高齢者健診体制を構築するためには、現地スタッフの動機づけが最も大事なもののうちの一つであると認識している。今後も現場の意見を大事にしながら計画を柔軟に修正していきたい。現段階で、このまま現地での健診の実施、結果の分析、フォローアップ、意見交換、方法の修正、健診の継続というサイクルを続けていきたい。また、現地スタッフの招へいも続けていきたい。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 8件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件)
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