岩盤構造物には長期安定性が不可欠であり,その設計にはフラクチャー(き裂,破壊)の進展を基にした長期強度評価が必須である。一方,石油や天然ガスの採掘では,フラクチャーの開口確保が求められる。従って,フラクチャーの閉塞・修復と開口確保の両方を研究することが重要である。そこで本研究では,岩質材料のフラクチャー修復・開口保持の周辺環境依存性を調べた。さらに,材料の長期強度に及ぼす影響因子について調べた。その結果,フラクチャーの進展や長期強度の低下には水が影響を及ぼすこと,フラクチャー修復にはカルシウム化合物の析出を促進させることが重要であり,カルシウムが豊富な環境下で修復が生じやすいことが示された.
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