低炭素社会を構築するためには、鉄鋼のようなエネルギー集約型産業からのCO2排出量削減が不可欠である。本研究では、マテリアルストック・フローモデルを構築し、鉄鋼需要量やCO2排出量の削減ポテンシャルについて検討を行った。対象は35地域に分割した全世界、推計期間は2005年から2050年までである。 サービス需要の管理、財ストックの効率改善、技術進歩の対策を導入することにより、対策無しケースと比較して、2050年で鉄鋼需要量は33%削減した。また、鉄スクラップの供給と需要双方の制約を考慮し、生産工程にて電炉への転換を促進すると、CO2排出量の削減ポテンシャルが6%であることが示された。
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